2014年04月25日

MAZAKその後・・・・(4)

修理方法と、修理後の結果を検証。
2日間(48Hr)電源を入れた状態で放置していましたが、かなりの成果があった様です。

DSC02770.JPG

回転工具中心に合わせたときの機械移動量=中心移動量(ここが今回のスタート位置になります)
4/21日
スタート時の補正値(PM5:15  X−0.074mm   Y0.061mm
4/23     (PM1:10  X−0.065     Y0.046
 〃       (PM3:00  X−0.094     Y0.057
4/26     (AM10:30 X−0.094     Y0.044        
 


ダイヤルゲージ(最小メモリが0.01mm)
DSC02772.JPG

残念ながらモーター側は、完全にバラさないと加工が出来ないために、今回はボールネジの細い方だけの追加工となった。

移動量ゼロとはなりませんでしたが、修理前の変化量とは大違いで、
両軸とも、修理前の《時間を追って変化量が増える》ことはなさそうです。

現状は、電源を入れて中心を合わせた状態ですので、工場内の温度変化などを考慮しても・・合格点?。

今日も継続して確認していますが・・6時間経過後の午後4時時点で0.01mm、X軸に変化が現れています。

検証:観察方法
毎日、決まった時間帯に電源を入れ、スタート点の数値確認。
正常であれば、時間を追う毎に変化はするが、電源投入時に大きな数値変化は出ないはずで有る。
(要は、多少の変化は有っても、電源投入時にスタート点に有れば、正常といえる。
※修正前は、電源遮断時点のズレた時点がスタート点になるので、数値は日々大きくなっていた。

修理方法の検証
再度図面を登場させるが、軸のスリップを止めるには、
1,六角穴付きネジ(イモネジ)を使用して、軸を直接止める方法。
2,今回の様にスリ割りを増設して、カップリングの把握力を上げる方法。

1案は、安易ではあるが、軸に生じたガタは消せない。また、カップリングが緩んでいても、ネジで留められてしまうために、ガタ(隙間の有無の検証が出来ない。

2案は、カップリング全体の把握力を上げ、隙間も消滅できる。カップリングを締めていたネジ締め付けトルクに変化が現れるために、カップリングが十分な把握力を有していたかどうかの検証も出来る。

メーカー図面
KMBT_C20020140423161309.pdf

弊社追加工図面
KMBT_C20020140425150631.pdf

パラメーター修正しました。

X AXIS 28450=28568 (補正量+118)読み数値の倍数入力
Y AXIS 99680=98986 (補正量−694)読み数値を入力

XY軸複合なので、入力後に数度確認補正しないと、ゼロにならないのです。

明日以降に、中心がズレなければ、効果があったと言うことになります。

(心の声を聞かせてやれないのが、くやしい!!)

追記:2018/10/15 現在も、自分で直しながら精度を保っておりますが、MAZAK側は修理要請に応えておりません。日本を代表する機械メーカーがこの様な事で良いのでしょうか。
posted by 仙人 at 16:16| MAZAK

2014年04月21日

MAZAKその後(3)

タレットのずれる箇所は解りましたので、対策方法を考えました。

当初、単純に穴開けて止めようと考えていましたが、Y軸側は出来ても
X軸側の場所が悪く、電気ドリルではアクセスできないことが判明しましたので、
スリット箇所に追加で、もう一つスリットを入れることにしました。

下がその図面

DSC02760.JPG

図中心は断面図。

図上左右は加工前。
斜線の部分がネジを締めると・・穴が小さくなるらしいが、
肉厚の違いも考慮したのだろうか・・・・。

図下左右は加工後。
従来の輪切り部分の強度を減らすために、軸方向中心に切り込みを入れます。

これで、1年半未稼働になった原因が取り除けるはずです。

こうご期待です。

追記:

思った通り・・・M8のキャップボルト緩みました・・。

行った加工。

DSC02763.JPG

スリ割りの追加。 
 この時点で、カップリングが緩くなり、カンカンに締まっていたネジが・・

DSC02764.JPG

回りました。
ヘッドの部分のペイントマーカー位置が、ズレていますよね。

正確には、読めないのですが、スリ割りを入れた時点で2kg/fを切りました。
標準は、3.2kg/fぐらいでしょうかね。

追記:2018/10/15 現在も、自分で直しながら精度を保っておりますが、MAZAK側は修理要請に応えておりません。日本を代表する機械メーカーがこの様な事で良いのでしょうか。続きを読む
posted by 仙人 at 14:32| MAZAK

2014年04月07日

MAZAKその後・・・(2)

昨年10月に工場移転、未だに未片付けの部分も多々あるのですが、少しずつ落ち着いてきましたので、
不動状態で1年半過ごしたMAZAK MSY200の再起動を試みます。

MAZAKも移設禁止に伴うパスワードの再入力をしないと、再稼働が出来ない状態にあるため、先週再入力してもらいました。
(これは、無料だそうです)

 本来であれば、移動前にリース解約して置いてくる手はずになっておりましたが、せっかく付いた買い手もキャンセルになり、泣く泣く新社屋に持ってくることになりました。
 これまでも、社外の機械整&中古機械販売会社等にも、修理の問い合わせてきましたが、MAZAKの社名を言うだけで、あっさり断られていました。

前置きが長くなりましたが、今回再稼働するに当たって、やっとリース会社の修理許可が出ました。
(本来、リースアップするまでは、まだリース会社の資産なので、勝手にいじることは出来ません。)

 まず、X軸が勝手に動いてしまう状況から判断すると、「一番怪しいのは、モーターとボールねじを繋ぐカップリングと呼ばれる部分のスリップ」と、'12年10月の不具合発生時から、再三調べるようにMAZAKにも、言い続けてきましたが・・・「これが正常です。締め付けトルクはわかりません。ねじは緩んでいません」としか、返答していただけませんでしたが、前述の通り、自分のものではないので、手も足も出せない状況になっていました。

なぜ、カップリングを疑うかというと。
○ボールねじのエンドは、スラストベアリングでガタ取りしてある。
○モーターは、M12のキャップボルト4本で筐体に固定。
これだけ見ると、他に動く可能性がある場所は・・・カップリング

カップリング(写真はY軸)X軸は入り組んだ場所なので、説明のために代用。
DSC02625.JPG

添付写真のように、外径75ミリ/内径25ミリの鉄の筒に、中心まで18ミリ幅すり割りがあり、M8のキャップボルトで締め付けます。(断面で説明すると、筒の上部1/4の部分を左右からM8キャップボルト1本で締め付けることになりますが・・・その部分は25X18ミリ四角縦断面になります。

これが、断面図。
DSC02630.JPG

果たして、ねじは緩んでいなかったとして・・軸を締め付けるだけの力がカップリングに動くのか?大いに疑問でした。(経験上アルミ材でも無理です)
追記:

図面でお解りのように、
そもそも、モーター側は「太いシャフト」 ボールネジ側は「細いシャフト
これを同じ条件下で締め付けても、細いシャフト側は、外周肉が多いので、締め付け力が弱まります

整理すると、
整備屋が断る理由の一つに、「エンコーダーを外した場合、イニシャル設定のマニュアルがメーカーから出ない。」と言うことがありましたので、エンコーダー、すなわち駆動モーターも外せないことになります。

○事象からすれば、回転ずれが発生すると言うことは、「モーター固定ねじを緩めれば・・伸びる?」と言うことになります。この方法なら、エンコーダーが大きく狂うこともないので、パラメーターで修正可能となります。

エンコーダー
DSC02623−1.jpg
モーター取り付け部(ねじ)
検査のために緩めておいたY軸の止めねじ。隙間は出来ない。(X軸も同様に緩めてあるが、隙間が発生)
DSC02626.JPG

ねじを緩め、電源投入してから、2週間後・・・0.25ミリまで隙間が拡大した。
DSC02627.JPG
緩めた当初は、隙間は出来ていないが、駆動されるタレットは、約45度ほど傾いた状態で設置されるため、重さでずり落ちないように、モーターには(カップリングには)常に負荷が掛かっている。

斜めに設置されたタレット。
DSC02629.JPG

これで、確信がとれましたので、カップリングに穴開け/ねじ切りをして、芋ねじを(6角穴付き止めねじ)で、固定します。シャフトにくぼみが出来さえすれば、M5〜M6で止まるはずです。


追記:当ブログに、毎日二人以上の訪問者が「タレット調整 または、芯ずれ」のキーワードで検索して、ブログを読んでいるようですので、参考になれば幸いです。

私一人が悩んでいても、メーカーは聞く耳持ちませんので、同じ状態に心当たりがある方は、是非!メーカーに調査依頼を提出してください。

これからも、施術後の経過を載せて参りますので、よろしくお願いいたします。

追記:2018/10/15 現在も、自分で直しながら精度を保っておりますが、MAZAK側は修理要請に応えておりません。日本を代表する機械メーカーがこの様な事で良いのでしょうか。
posted by 仙人 at 16:06| MAZAK