2022年07月18日

2年がかりのHONDA S800

 私がHONDA R&D 就職前に(ざっと45年前)私がフルレストアしたエスハチのオーナーさんから「車が調子悪いので見て欲しい」と依頼があり、取り敢えずキャブレターOHから着手・・・したのですが・・・。
2021年4月にOH着手
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 その都度良くは成るのですが、本調子にほど遠い。
エンジンはOH完了したと言うのですが、念のために圧縮を計ると、一気筒だけ圧縮が足りません。そこで、オーナーさんが日頃お世話になっている工場でタペット調整して貰うことに。

 症状としては、組み込み時にしっかりと同調を合わせてあるのですが、「ずらさないと上手くアイドルしない」キャブは、不調なエンジンにでも、それなりに合わせられてしまうため、パイロットスクリューの戻󠄃指数や、反応もバラバラと言う状態でした。

タペット調整も済んだので、再度キャブの微調整・・・。
まだなんか変ですね〜。プラグもプラグコードも新しいし、でも完全燃焼していません。
そこで再度、お世話になっている工場で、点火系を一新させます。
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新しいイグナイター

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新しい点火コイル

これで、がらりと変わりました。
そこで、予てから所望のあったNAGバルブも装着して再度試運転。低回転迄(2000RPM)近くまで回転を落としても、スムーズに走ります。(完調になるまでは装着しないと、待たせてありました。
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 作業は終了して、帰って頂きましたが、帰宅後にメールが入り、「帰りのエンジン調子とても良かったです、いろいろありがとうございました」これで、やっと肩の荷も下りましたが・・・

*今回の作業で、もう一つ注意しなければ成らないのが、エアーエレメントの劣化!。硬くなったり掃除を繰り返すことで空気の通りが悪くなり、バキュームピストンの開き方(上がり方)が変わっています。

 対策でスポンジフィルターを使用するしかないので、スポンジに合わせ、バネ荷重を適正化したスプリングを製作しました。ご入り用の方は、HSOC事務局か、昭栄プロテックにお問い合わせください。
乗り物は、常にベストコンディションで!。
調子悪くても、良くても、同じようにお金も自分の年齢も消費します。m(__)m

*目の細かいスポンジは、加水分解しがちですので、中目か荒目の網目状の物を使用します。どれを選んでもバネは使用できます。(テスト済み)

posted by 仙人 at 18:52| 日記

4BA-VN5搭載レボーグにナグバルブを付けてみた。

 初期型(2014〜)のレボーグに取り付けて以来、5年ぶりの取付になります。
エンジンルームのレイアウトも大きく変わり、エンジンルームを一周していた初期型のターボまでの吸気管は、最新型(4BA-VN5)はターボが前方に付くことによって、短くシンプルになりました。これがターボラグ減少に寄与していると思います。
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 過去のターボ車が、インタークーラーがエンジンオイルまみれになることは知られていますが、レボーグも対策されているとは言え、やはりホース内は若干オイリーかな?と感じました。

お客様が気にしていた、発進、停止時のギクシャク感は、初期型から残ったままです。

 ブローバイホース取り回しも大きく変わり、ブローバイホースとキャニスターはソレノイドバルブの処に一旦集合。その後、タービン手前のインダクションホースに繋がります。
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この位置だと、タービンの吸引量に依って、ブローバイガス流速が左右されてしまいますので、低回転時よりも高回転時の方がブローバイの排出が速く行われますが、オイルセパレーター機能が阻害されます。(結果として、旧インプレッサーツインターボに見られる様に、インタークーラーが汚れたり、急加速時の白煙などになる)*M社のCXも同じ症状を持っています。

テイク1) そのために、ブローバイホースをターボ手前にでは無く、エアークリーナーボックスに直接戻すことにしました。

そこで、キャニスターとの集合部からブローバイホースを分離して、直接クリーナーに戻した方法では、バルブの効果はあるのですが、アイサイトエラーに成りました。近くのデーラーに飛び込み、原因を調べて頂くと‥、リーンバーン(希薄燃焼)状態だそうです。

テイク2) エラーの内容が解ったので配管は元に戻し、シンプルにインダクションダクトに入る部分をブラインドプラグで塞ぎ、ホースを延長してエアクリーナーに入れるとエラーは出ません。

どちらの方法も、排出されているのは同じ成分のはずなんですが、テイク1だと、ブローバイは自然排出、その他はタービンによる強制排出になるので、混合されたときの濃度に差が出るのかも知れません。
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エアクリーナーの加工方法:
前後方向にスペースはないので、エンジン側の空いている箇所にØ22の穴を開けます。裏側から見るとリブが立っている中間当たり。
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リブが立っていると、グロメットが入らないので、食いちぎりで切り取って、
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グロメットを挿入表側:バルブは此処に直接差し込みます。
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裏側:面倒ですがカッターでも切れます。グロメットを綺麗にはめるために、リブは完全に落としましょう。
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インダクションから、バルブまでの延長ホースはCARRYのを流用しました。
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注意:
最近のセンサー類は、不用意にカプラから外すとエラーになることもあるので、面倒ですが、配線が付いたまま、ネジを取って外してください。DSC_0384.JPG
posted by 仙人 at 18:06| NAGバルブ