感じたこと。
当初想定していたSRX等の旧車種以外にも 新型機種の反応が多いのにも驚かされます。
旧車では、SRXよりもZ系の要望も増えてきていますね。Z1−Z2−MK2−Z1000JーアドバンテージKYBφ38と種類も豊富なので、うれしい?対応に追われて居ります。新型では、MT07が群を抜いています。
BURRITO装着のセールスポイントは、調整カラーをBURRITO挿入分長さを短くする以外に、余分な作業が必要ない”お手軽さ”なんですが・・・。
センタリングを兼ねて沈み込んだBURRITOを取り出しやすくするために、スプリング下端に固定するのですが、リプレイス・バネの数だけ、内径もそれぞれに合わせる必要も有りますので、1機種に対応するには、2〜3サイズ違いを用意する必要も出てきました。それだけフロントサスペンションの特性に満足していない人が多いと言う、裏返しでも有りますね。
最新のカートリッジ式でもカートリッジイミレーター(イミレーター=読んで字のごとく模造の意味)を装着されていても、ちゃんと性能が出るような調整がされていない事に愕然とさせられることも多いのです。
話は変わりますが、以前の私も含め大半のライダーは、「右旋回は苦手」な人が多いようです。そして言われていたのは・・・心臓が左に有るから・・右旋回時のスロットルが操作がやりにくい・・旋回距離が長くなる・・等々。が、最後の旋回距離に関しては、間違ってはいないようです。
今回ネコアシシステムの開発時に、F・サスペンションを観察して解ったことは「旋回性を阻害しているのは、旋回中に起こるフロントサスの伸び」が原因だったことが解りました。レースシーンでのブレーキ・リリースは、伸びをコントロールする意味合いも有って、引きずりながら旋回しますが、一般道では倒し込みとほぼ同時にブレーキはリリースしているのが普通。
と言うことは、倒し込みと同時にフロントサスは伸びようとしますので、「大きく曲がり込んだカーブ」ほど曲がりにくいと言うことになります。また、カーブが連続している場合は、2個目以降のカーブは、コントロールされていないので、成り行きで旋回することになります。
これをカバーするのが「伸び減衰=リバウンド」になり、減衰力も旋回中に「不用意にサスが伸びない」程度の強さが有れば十分と言えます。大半が、伸び減衰の掛けすぎで動きが遅くなっているので、一般路でもゴツゴツした感じになって仕舞います。縮み側も同じ事で、バネはストロークさせればさせるほど、反発力も大きくなりますので、早く伸びようとします。これを押さえるために「縮み側減衰=コンプ」があるのですが、「伸び側」と「縮み側」と同時にかけ過ぎで動きにくい状態になっている事が多いですね。
この特性を助長させているのが、フロントアジャスターの使い方。
http://nag-sed.com/product/pdf/adj_burrito_set.pdf
此処で説明しているように、イニシャルアジャスターを締め込んでも、ハンドル位置が上がるだけでバネそのものは、インナーチューブが伸びきってしまった状態じゃ無いと、強くなっていないのです。そのせいで、少しでも柔らかくしようと、イニシャルアジャスターを緩めてしまい、それ以上縮まない状態になっている場合もあります。資料を読んで貰うと解るように、空気圧にも変化が現れますので、見逃してはいけません。
(イニシャルアジャスターを緩めると、空気が加圧されて、硬くなります)
空気リリースバルブも、最近流行の「ワンプッシュ・バルブ」を使う場合には、注意が必要です。と言うのも、精度が悪いのか、組み付けが悪いのか解りませんが、最初から、漏れる物がありました。
此方は、昔から使われているタイプ。長くなって野暮ったいですが・・・信頼性は抜群!。
更に、仮にバルブコア(ムシ)がリークしていても、キャップ裏のシールゴムがバッチリ空気を止めてくれます。
80年代に標準に近い状態で装着されていましたが、「バルブが開いて空気が入る」リスクがあると言うことで、いつの間にか姿を消しました。当時、セミエアーサスといって、空気加圧するサスがあった事でも、調整用に必要があったわけです。
サスは、見方を変えると空気入れと同じ働きもしますので、このバルブが漏れると・・・空気が入りすぎて硬くなったり、逆に抜けてフニャフニャになったりします。(カートリッジ式サスでも、空気リリースネジが付いている物も多いので、一度解放した状態でサスを動かしてみて下さい。まるで、バネが無いかのような特性に変わります。)
すなわち、空気バネが必要だと言うことです。これは、オイル量の増減で特性が変わることを意味しますが、あくまでも、油面上の空気量ですので、油面管理はトップから油面までの距離で管理しましょう。
また、自然に空気圧は変化しますので、タイヤと一緒に空気圧チェックは欠かせません。そして、擬似的に油面高さが自分に合っているのかどうかも、チェックが出来ます。バネが硬すぎて・・と言う前に、先ずは要チェック!。
サスペンションがしっかりと働き、適正な調整がされていると、曲がりやすくなるために、右旋回ではおよそ車両1台弱奥まで侵入でき、結果的に逆操舵に近いハンドル操作になります。旋回距離も短くなります。
逆に、曲がらないバイクを乗っていると、早めにハンドルを切るので、距離も長く旋回Gも掛かりますがサスも伸びます。加速しようとすると、さらに伸び曲がれなくなりますので結果的に、旋回が終わるまでひたすら我慢することに。(笑
今の私の車輌は、右旋回途中からでもアクセルを開けて、加速体制に入れるようになりました。
足まわりが良くなると、バイクライフが変わります。 今までの、俺の時間を返せ〜。