2017年10月03日

各部品の寄与率を覚えよう(2)

久しぶりのキャブネタ。(笑
では、1ランク上級者向けに。

 最近頻繁に、表題のページが開かれるので、今回は続きを書いてみます。
前にも書いたことがあるかもしれないが、「メーカーは、メインジェットから決めるんだぜ!」のフレーズが一人歩きしているようですが、どんなエンジンでも、スロットル全閉にしないと全開は無いのである。(これは、最高馬力を求めて居る場合、いちいち低回度から合わせても時間が掛かるので、低回度は「エンジンが掛かれば良し」くらいの扱いしかされていないためです)

 すなわち、一番先に決めるのはスロージェット(SJ)。これが決まらないと、アイドル不調、徐開加速のエンスト、始動性悪化になります。
「FCRにしたら、始動性が悪いんだよね〜。」という車両をたくさん見てきましたが、単気筒キック車両の始動不良、特にホットリスタート(暖気後の再始動)が悪化しているのが多い。
 
 これを例に取ると、
原因は、アイドル開度の開きすぎで、スローポートに負圧が掛からない。
閉じているから、ポートに負圧が掛かるのであって、開度が開いていると、負圧はメインノズルに移動するからで、セルと違って連続する吸気が確保できないキック一発の吸気圧では、燃料が吸い出せないのである。もしこの症状を持って居るなら、一度アイドルスクリューを閉める側に戻してみてください。あっけなくエンジンが掛かります。

 では、具体的にどのようにしたら、これを解決できるのかをお教えしましょう。
キャブを詳しく知らなくても、エアースクリュー(AS)を回せば、アイドル時の回転が変化するのは知っていると思いますが、このASは制約なしに調整できるわけでは無く、調整代は1/2から3.1/2と決められています。
閉めすぎれば、SJのブリードに空気が供給されなくなり、霧化が出来なくなり、開けすぎるとスクリューを押さえているバネがきかなくなって、スクリューが脱落します。
ですから、標準戻し数になっていれば、濃く(閉める)も、薄く(緩める)も出来るので、この位置固定に出来るSJを選ぶことが先決になります。が・・・・・、CR以外のキャブ(FCRもTMR)その他のキャブも、インマニに近い下方にパイロットスクリュー(PS)と言う者が、もう一つありまして、これを理解していないと、これまで述べた症状の根治は難しくなります。

 不具合の多くは、「アイドル回転が安定しているから、スローは合っている」という、思い込みが問題なのである。

では、SJが大きい場合には絞れば良いのだから、PSを閉めます。逆に小さい場合は、多くを流したいので緩めます。 はい!正解。これでは、SJの大きさは、何だって良いことになってしまいますよね。(なぜか・・カス虎の口調だ・・笑)
 これが、キャブを難しくしているとも言えます。では、スロー系って?、スロー以外では効かないイメージがあるとお思いでしょうが、けっして、消えて無くなるわけでは無いので、スロットル全開までスローから燃料が流れます。これが、ストレート径や段数の判断を大きく狂わせるる事になります。

続く

ついでに、加速ポンプも、同じ領域で効くしね。
posted by 仙人 at 19:15| Slow系&低開度