その不具合とは。(FCRも同じです)
サイドスタンド状態で始動し、準備が完了して跨がると・・エンジンストール。
交差点等で、停車しようとすると・・・エンジンストール。
スタートしようとすると、この時も・・突然エンジンストール。
又は、原因不明のオーバーフローを起こす。
以上のような事例をふまえて、整理すると。
全て、油面変化が起きた時に発生していることが解ります。
原因として考えられるのは。
傾いた状態から、水平にしたときに、油面が大きく変化、または閉まり切れない状態になっている。
すなわち、傾いた状態でエンジン始動して、油面が形成されると、復帰油面(バイクが立つ)は上昇します。この状態で、エンジンストールしてしまうと、再始動は非常に困難になるのですが、アクセルを開いた状態で、2〜3度空キックしてからの再始動は、すんなり掛かります。すなわち、濃くなっているんですね。
さらに、もう一つ気になることが。傾いた状態でAS調整しても、バイクが起きた時のアイドル回転が安定しない。
では、解決方法を考えると。
油面はそのままで、バルブシート径を小さくして、閉め切りタフネスを上げる。
これで、解決すると思います。パーツリストを見ると、3種類の大きさが設定されているので、
1、シングルで使う場合は、穴径の大きなものを使い、
2、2キャブでは中間。
3、4キャブ、では、小さいもの。
それでも、コックを流れる全体のガソリン流量は、大きく変わりません。大きな穴は塞げなくても、小さくなった穴は、容易に塞ぐことが出来ます。(フロート浮力は変わらないが、シート径が小さくなれば、締め切り圧が大きくなる(小さな力で閉じることが出来る)ので、オーバーフローしなくなります。
こちらに解決方法を。
1、フロートバルブの浮力に対し、バルブシート径が大きい。
穴が大きいと、浮力も大きくないと、閉じれません。
2、シングルキャブで使っても、流量が足りる(FCRも)ということなので、一個のバルブシートを流れる設定量がそもそも多い事が解る。
3、通常レース用キャブは、エンジン馬力に対して、必要なガソリン消費量の1,5倍の燃料が流れるように設定するので、「シングルで使っても、燃料不足になることはない」 ということからすると、1200ccの排気量に、キャブ2 個でも流れる量には余裕がある。
左が穴の小さいシート。ニードルがわずかに飛び出している。
もう一つの方法は、ゲージ油面を1ミリ高め(実油面を下げる)に設定する。油面を低く保つだけでも、今の症状は治まると思いますが、サイズを小さくするのが最善と思います。
バルブシート径を小さくすると、閉まる位置も変わりますので、油面調整が必要です。
閉じていない状態:
もう少し傾けて、閉じた状態。(必ず、ゆっくりと傾けて、バルブシートが閉じる位置で調整や、油面確認を行います。)
取り外し:
100円ショップで買った、食いちぎりペンチを加工しました。
交換後:わずかに油面が下がりました。
調整後。(フロート底部とチャンバー合わせ面を平行にします)
明日の朝走ってみますが、エンジンのホットリスタート(暖気後始動)良好。
マシンの姿勢変化でも、アイドルが不安定になりません。
PS:
RS125レーサーのRAM仕様のPAXキャブは、燃料に圧力が掛かりますので、オーバーフローしにくいように、バルブシート径を小さくしていたのを思い出しました。
追記:2018/08/08
異常な暑さの中、なかなかテスト走行が出来て居ませんでしたが、早起きして2度走ってみました。
一度目、
エンジンストール頻度は減って居ましたが、1度ストールしました。あと気になったのは、スロットル開度1/2当たり、4速4000rpmでのぐずつき。もう一度外して、段数を3.5段から2.5に変更。油面も1ミリ下げました。
2度目、
やっと、全領域でふけ上がるようになり、目が追いつきません。油面を下げたことで、もう一度AS調整したおかげも有り、安心してスロットルを戻す事ができました。SJ位置に対して、油面が高さが敏感?。これで、涼しくなるのを待つばかりです。