写真で見ると、スロットルドラムから下の方に延びた”く”の字のプレートの先に、この蟹爪が有る。広げたり、狭くしたりすることで、ポンプロッドの作動始めを変えるのだ。
ここで間違ってならないのは、「広げる=作動ポイントが遅れる=吐出量は減る」と考えるのは早計である。これで、全体の量は調整できない。
これをさわっても平行移動なので、押すのが遅くなれば作動終了ポイントも遅くなり、より高開度でもポンプは出続け、いわゆる段数やテーパーの1/2以上の開度でも影響を受けるようになる。
かといって狭すぎると、ロッドは遊びが無く常に押されて状態になって、振動でも燃料が出てしまう状態になる。又、ロッドを押す黒い樹脂レバーの根元にはコイルスプリングが巻いてあり、このスプリングの反力でポンプは作動し、蟹爪は単にストッパーの役目に過ぎない。この機構のおかげで、急なスロットル操作に対しても、一定の速度で作動することが可能なのであるが、いつまでも出ているというネガも有る。