2016年03月08日

F・フォーク、各パーツの役割

http://nag-sed.com/product/pdf/ADJ-BURRITO_SET_W3_4-1.pdf
DSC04414.JPG
BURRITO+ベアリング+イニシャルアジャスターセット販売に伴い、
ホームページに、各パーツの役割を紹介してあります。

正直なところ、BURRITO開発に着手するまで、ここまでシビアだとは思ってもみませんでした。
特に、スプリングの湾曲が初期作動に与える影響の大きさには、目から鱗状態です。
フロントサスの良し悪しが、操縦に与える影響をも 改めて感じております。

カートリッジ式の方も、そうでない方も、ご一読いただいて
自分の調整方法と比べてみてください。
バイクが、もっと楽しい乗り物にさま変わりします。
posted by 仙人 at 15:41| 猫足・サスペンション

2015年09月28日

間違い探し

3VNを息子に譲り、1JKに乗り始めてから、ず〜っと感じていた違和感。
何かは、はっきりしなかったのだが、何をやっても上手くいかない。
3VNと比べたり、お客さんの1JLとのり比べても、妙にサスの動きが悪いように感じていた。

今年の2月頃から、本格的に解明に取り組んだ結果・・・・
1,動きをよくするために、Fサスバネにベアリングを挿入してみた。
http://nagsed.sblo.jp/category/1008691-1.html
が・・動きが良く走破性が向上した反面、コーナー進入時に寝かすと同時に、スットとサスが伸びる為に、曲がりにくい特性になったりする。

2,この特性を改善するために、登場したのがBURRITOである。(3VNは、市販のカートリッジ・イミレーターを8年前に挿入済みだが、コーナーで伸びる特性は、穏やかになるが消えない)
http://nag-sed.com/product/index3.html

違和感とは、単車をまっすぐにして、フロントを上下に動かした場合に、特に顕著に表れる。
○その症状は、押した後、入力を抜いても、元の位置まで戻らない。戻らないから、オイル量を増やして、空気バネを使うと・・、戻るようになるが、ごつごつ感が現れる。そこで、前述のベアリング挿入となる。

 なぜ?、他のバイクは、逆にオイルレベルを下げる方向に調整することが多いのに、逆になるのか。???

( 間違い その1)物理的、作動ストローク量を間違っていた。
こちら、3VN フォークを一番短くしたときの残ストローク 約5ミリ
DSC04130.JPG
対して、1JK 同じ条件で、14ミリほどある。
DSC04131.JPG
これを、残ストロークと勘違いして、調整カラーをどんどん短くしていき、インナーチューブの空気だまりが小さくなり、反発力を無くしていた。http://nagsed.sblo.jp/article/163810138.html
 そこで、油面とカラーを正規の長さにしてみるが・・・フリクションは変わらない。

(間違い その2)潤滑剤
さんざん探求した結果、出した結論は、シールと、ダストシールのフリクション?。
そこで、充填しているグリスの種類を替えてみた。
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上が今まで使っていたシリコングリス。こんな風に入れていました。
DSC04171.JPG
下の緑の箱が、今回使ったもの。比べると・・・
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右が新しいグリス。左は従来のシリコングリス。持ち上げると、すーっと 落ちます。
対して、シリコンの方は・・、振っても落ちません
え?・・・、メッキとグリスの相性???。

(間違い その3)メッキの種類によって、シールゴムにフリクションが生じる?。
実は、この黒くコーティングされたインナーパイプは、お客様からの払い下げ。コーティングに出したときに、樹脂で出来ているフローティングバルブが溶けて無くなっていたので、私が自作して使っていた。(フローティングバルブ=このバルブが上下することで減衰バルブの役をしている。)
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ところが・・、暫く放置すると、まるでのり付けしたかのように、張り付いてしまうのである。
ZOILのラバーグリスが効果あると聞き、入手して塗布して見たが、結果・・変わらず。
 
 結果的に、従来のクロームメッキしたパーツと交換することになった。
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(間違いその4)オイル量の測定方法
通常、指定量を挿入した場合、オイル上面までのレベルは、誤差程度のものであるが、
なぜか?20cc以上も、抜かないと規定のレベルにならない????。
フォーク内径や長さなどを調べたが、間違っていないようなので、オイル測定器具を怪しんでみた。

今まで使っていた、メスシリンダー(KIJIMA250ml 日本製)
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実際に、ガラス製のメスシリンダーで、比較すると・・・・
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なんと!250mlの目盛りのところで、270mlも入っていた!!。
SRXは278mlなので、先に250mlいれてから、さらに28mlを継ぎ足していた訳なので、20ml余分に入ってしまうのである。

ここでやっと原因がわかった。
レベル198oで合わせたときに、20ml抜き出さないと、合わないことになる。

(間違い その4)オイル粘度
ここまでやっても、BURRITO挿入以来、ベアリングを初めて入れたときの柔らかさが、戻ってこない。
いや、峠などを走る分には申し分ないのだが、一般路ではどうしてもゴツゴツ感が気になる。

今使っているオイル粘度はASH#33。これって、減衰もコンプも効かない状態でちょうど良かったはずなので、制御できるようになったのだから、柔らかくても良いんじゃないか?。

と言うことで、ASH #11 一番柔らかい奴にしてみました。

わっははははははは!。
直りました。#11番でも、十分に減衰もありながら、波状路の走破性も戻りました。

よゐこは、教訓にしてください。 おしまい。


posted by 仙人 at 22:05| 猫足・サスペンション

2015年09月17日

あらら、こんな処にも、トラップが・・( sub タイトル 怪我の功名)

 約5年前から、1JKのオーナーになった訳ですが、同じく所有している3VNと比べても、F・サスの動きに差異を感じていました。お手本にしている”そらいろごう”に似せようとしても、段々遠くなります。

 その原因は、9月14日の記事にあるように、アジャスター調整量と空気バネの相関図を作ってみて 初めて解りました。もちろん、インナーチューブ外径が2ミリ違うのだから、内径にも差があり 同じストロークをさせれば、容積の小さい方が早く内圧が上がることも、頭では理解していました。

 14日の日に、フロントアジャスターの(締め込みが足りない=カラーが短い)事が判明してから、なぜ、そのような事が起きたのか、考えてみました。

そして、検証。
此方、3VN (トップキャップを外して、アウターチューブをいっぱいにも持ち上げた状態で、三つ叉に触るぐらいの位置で、ボトムエンドとなります。
DSC04130.JPG
対して、1JKはというと・・・???。
DSC04131.JPG
写真の様に、3VNと比べても14ミリ手前でボトムエンド・!!。ガ〜ンです。

この位置を、残ストロークだと勘違いしていましたので、
まだ余裕がある物だと思い込み、イニシャルアジャスターをどんどん緩める方向にしていたのですね。
 このセッティングで、ライディングの師である、ヨシ王さんに試乗して頂いたときに、「 3VNは、申し分ない特性になったけど、1JKは・・途中で止まっちゃうよ?。」と言っていた原因と症状が解りました。

 これまでに、アジャスター調整やシムを入れることで、バネの堅さは大きく変化しないことも解ってきましたので、どのハンドル高さが安心して乗れるのかを探ってみました。

 いつものワインディングに行って、大きく締め込むと曲がらなくなり、緩めすぎると切り込みますので、一番気持ちよく曲がれるところを探しました。その状態では、ゴツゴツ感も残りますので、走破性を良くするために、アジャスターを内圧が0.2kg/㎠になるまで締め込みます。

と、ここからが大事!。
締め込んだ分はハンドル位置が上がった事になっていますので、その分は突き出しを変えることで、姿勢を正します。

これで、初期作動が良くなり、旋回性能も格段に上がりました。おまけに、締め込み量だけ残ストにも余裕が出来たはずですね。

 そもそも、レーサーの整備をやっていたときのイニシャルアジャスターの使い方は「残ストロークが無くならないところに合わせるのが鉄則で、その為に変わった姿勢を突き出しで修正する。」
これが、正しい使い方だったんですが、すっかり忘れていました。
 
 と言うのも、サイドスタンドを掛けた状態で、スタンドに車重をのせ ハンドルを引いたときに10ミリ前後伸びるのが、一般車両の調整目安になっていましたので、(サスのパーツを買うと、その様に書いている物もあります、現に3VNはこれに沿ったところで調整している。)此処ばっかり重要視していましたので、1JKのボトムエンドを残ストロークと勘違いしていた事も、大きな間違い!セットアップの違和感に繋がったと、猛反省せねばなりませんね。

随分と長い時間が掛かりましたが、大きな収穫を得たと思います。
まさに! 「怪我の功名」(笑




posted by 仙人 at 18:55| 猫足・サスペンション

2015年07月14日

新商品の名前が付きました。

 前回は、フロントサスペンション・バネのベアリング化をやってみましたが、何かが違う。
猫足化の狙いは、ズバリ的中したのですが、伸び側にも大きな影響があるようで、STDインナーチューブ内蔵のフリクションパイプ機能(伸び側)に頼っていても、抑えが効かなくなる事が解りました。

 そこで、(伸び側)も(縮み側も)しっかり作動するバルブ開発に着手。満足のいく物が出来ましたので、お披露目です。
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左から、1JK用(φ36) 中間3VN用(φ38) 右BROS用(φ41)の3種
税別2個セット価格 23,000円 (税込み24,840円)

正式ネーミングは、
(出世魚じゃ無いですが・・読み方を、依り言語に近い「 ブリィート 」に改名しました。)
ナグ ネコアシ ダンパー  システム
NAG nekoashi Damper System
NAG N.D.S 
部品愛称=BURRITO (ブリィート)

名前の由来は・・、旧知の仲である「 カスタム虎の穴 」作者、アオキシン氏のネーミングです。
DSC03996.JPG

 氏にネーミング決定権を与え(バキッ!!☆/(x_x))この件に関して、無駄話をしている中で、「いわゆる、猫足だよね−」という言葉から、「 トマトもウサギ君も居るんだから、他に無いの?」という会話が切っ掛けになり、
「 第5巻の75Pに出てくる猫が居るんだけど・・」と言うことで、
この猫の名前を拝借することにしました。

 猫の飼い主は、サスペンション調整のスペシャリスト「栗九堂」(クリックドウ)オーナーのモンブラン子ばあさん。66P〜75Pに登場します。DSC03997.JPG
左側に、ちょこんと居るのが BURRITO(ブリトー)君?か・・お嬢か?。
今度確認してみますが、男性名詞なので、オスだろうと、勝手に判断。

 DSC03998.JPG

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語源は、ラテン語のファーストフードの名前なんですが・・・。
ロバが巻いた荷物を運ぶ姿などのことも、バイク乗りが、クッションを巻いて後ろに乗せていますが、巻いた姿が似ているので、同名で呼ぶそうです。(詳しくは、Wikipediaで検索してね。)

何人かに、テストして頂きましたが、関東地区のSRX仲間が世話になっている、BSファクトリーさんがBLOGにインプレを乗せていますので、参考にして頂ければ、幸い。
http://blog.livedoor.jp/bs_factory8700/archives/45456022.html
なお、取り付け手順は、先の日記 「ちまたで噂の、フロントイニシャルアジャスター。(2)」に、紹介してあります。

追記:この本に出会わなければ、この部品も生まれてくることはなかったと思います。
詳細な図解入りの解りやすい説明で、サスペンションの目指す方向が良く解りました。
作者に感謝すると共に、出会いは大事にしなくては!と、改めて思いました。

サスで悩んでいる方、入手して読んでみてください。
3巻が品切れらしいですが、4巻5巻のサスペンション編は、入手可能だそうですよ〜。
きっと為になるはずです。

追記(2):
BURRITOの発音について、ペット君の名前がブリトー君(オスだそうです)なので、そのまま拝借したいところですが・・言語に近い発音で、(ブリィート)にしました。
発音については、RRで巻き舌になります。正式な発音にも、一度挑戦してみてください。(笑
ネットで調べると、ブリートと表記される物が多いのですが、自動翻訳機では、ブリトーになっています。
今度、スペイン人に会ったら、聞いておきますね。


posted by 仙人 at 11:23| 猫足・サスペンション