ファンネル長さと点火順序の関係?一見何の関係のなさそうに見えるが・・・
果たして、解るように解説出来るか!!。
今回も・・長いぞー!眠くならないように、コーヒー片手に読んでください。w
暫し問題に取り上げられる、ファンネル長さについて考えて見る。
通常、インライン4エンジンのファンネル長さは、真ん中2個は長く両サイドは短い物が採用されているが、中央2気筒は低回転寄りで、両外が高回転寄りとエンジンが都合良く使い分けているわけではない。(2段重ねタイプも同じく)
では、何のために長さ違いが用意されているのか、大いに疑問に思うところである。
確かに、BOX無しで同時に4個のファンネル長さを変えた場合には、短い方は高出力高回転、長い方はトルク型とはっきり特性が分かれるところであるが、 前述の通り混在した場合には、エンジンが勝手に長さを選んでいるわけではない。
では、敢えてそれを必用としている理由だが、その原因は。
1,エアークリーナボックスの空気取り入れ口の大きさ。
2,点火順序。
この二つが大きく影響するのである。
まず、2の点火順序から説明した方が解りやすいだろう。
通常、4気筒エンジンの点火順序は、1−3−4−2でぱっと見た所、隣のシリンダーを飛び越えて、いるように見えるので隣り合ったシリンダー同士が端から順番に(例:1−2−3−4)燃焼していないのが解る。
が・・、しかし、視点を変えると、1巡したときのシリンダーは?、最後の2から1に、3から4に!明らかに隣同士になる。
これが、長さを変えさせる要因の一つ。
このヒミツは、ボックス空気取り入れ口の大きさの中で明かしていくが、誰しもがピストン径に対してあまりにも小さな取り入れ口に疑問を持ったことがあるだろう。
この口径は、馬力の自主規制、吸気音の低減ということもあるが、もう一つ忘れてならない事に*1ブローバイガスの吸い出し効果を高める為でもある。(後述)
エンジンが要求する空気量を確保出来ない小さな入り口(抵抗)では、ボックス内圧が1気圧以下になっているのは容易に想像出来る。
この抵抗が、ファンネル長さを不等長にする最大の要因となる。元々入り口が絞られ、空気が希薄なボックス内でなにが起こるのか?。
此処で想像力を働かせて、ファンネルの上に空気の多段層をイメージすると、点火順序=吸入行程順序も同じなので、2番が吸って次に1番、3番が吸って4番となると、1−3番は一つ間を開けるが、その他の行程では、隣同士、すなわち隣り合ったシリンダーでは、2番よりも1番の方の空気層が薄くなり、十分に空気が吸引されない事になる。その為に、同じ層の空気を取り合わないように、段差を設けるのである。これによって高回転での馬力ロスは僅かながら押さえる事が可能になる。
同じ理由に、V型エンジンの場合は、Vバンクの間に仕切り板を設けたものがある。
ただし、この理屈は自然吸気でボックス空気取り入れ口が小さい場合に適応されるが、
RAM車輌は必要ないと考えられる。なぜならば、空気の取り合いは加速時や高回転時にのみ起こる現象であるので、RAM車輌のように走行風が導入されれば、空気の層は厚くなり、引き合いは起こしにくくなる。


写真は、’05年UKチャンピオンシップで12戦全戦ポールを獲得&コースレコードを書き換えた車輌に装着されていたNAG製ファンネル。勿論これだけの恩恵ではなく強制減圧バルブとセットで使用した結果でもある。ライダーは、元ケニーローバーツチームで最終年度型(Jr:の後かな?)をライドした、Jey・Vincent選手UK。使用した車輌はCBR600RR
この仕様は、水谷勝選手の8耐マシンのフィードバックで、2001〜2003年の8耐はSUZUKIワークスチームと、同じピットを使用させて頂きました。
ケーターリング付きBIP待遇のおまけ付きで。キャンギャルは水谷さんの自前です。w
(KENZの北川選手も全日本3連勝しましたよね。)
*1ブローバイガスの吸い出し効果を高める為でもある。(後述)は、長くなるので次回に。
2011/01/11転記