NDS.Compについて、作動原理と効果について、問い合わせが多くなってきましたので、解説します。
Q1:何故、フリクションが消えてスムーズになるのか。
Q2:他社製品は加工を要するのに、なぜ無加工なのか。
Q3:バルブ(BURRITO)でオイルを通りにくくしているのに、なぜしなやかになるのか。
A:そもそも、フロントサスペンションは「動きやすい」特性を、オイル流体抵抗を利用して止めているので、別名「ダンパー」とも呼ばれます。
この動きやすい特性を押さえるために(硬いオイル)などの手法で、抵抗を増やしていますが、それでも追いつかないので、オリフィスを儲けて、抵抗を増やしています。
端的に申せば、柔らかいオイルを使いながら、伸び縮みを抑制できれば、フリクションの少ない、しなやかで初期作動特性の優れたフロントフォークを手に入れることが出来ます。
写真は、STD状態のフローティング・バルブタイプの構成部品になります。この部品はインナーチューブの下側先端に組み込まれていて、伸びきったときはフリクションパイプのツバに当たって止まります。(写真に写っていませんが、干渉用の短いバネが入ります。

真ん中付近の凸凹した部品がフローティングバルブ。伸びるときはバルブ底面がケースに密着して流れにくくなり、縮めるときはバルブ上面凸部分が隙間を作るので、オイルは流れやすくなります。
では、模型で説明すると。透明で解りにくいので、黒い枠で囲みました。
[インナーチューブ。]これが押し込まれるとオイルは、バネのある空気室(C室)に移動。

[フローティングバルブ] すでに説明してあるので、説明は省きます。

[フリクションパイプ]オリフィスが儲けられて、オイル量の制御と伸びたときのストッパーを兼ねます。

これから、作動したときのオイルの移動状態を説明。

フローティングバルブは上に移動して、オイル室の(A室)オイルをバルブ上の(B室)に移動させますが、インナーチューブの空気室(C)のオイルも増えているところに注目。
一見、オイル室を示す赤いラインから下のオイル量は変化無いように見えますが、作動前の写真に比べれば、空気室(C)のオイルが増えています。

全部押し込むと、オイルは黄色いパイプの部分にまで、増えました。
写真で見ていると、
赤い線から下のオイル量はA室からB室に移ったように見えています。
謎解きは、押し込まれる前のオイル通路は(A室内径)インナーチューブ外径だったのに対し、押し込まれていくと(B室)はチューブは外径では無く、チューブ内径に替わります。
*チューブの肉厚分、通路が狭くなるので、オイル室からはみ出た分が、フリクションパイプ下部のオリフィスを通して、空気部屋(C室)に押し出されます。*この部分にバルブを置くと、押し、戻りスピードを制御します。
空気室(C室)はリヤダンパーのサブタンクの役目も果たし、縮んだ時に増えるオイル量によって、空気室の空気も圧縮します。
休憩‥。