最近は多忙を極め、なかなかBlog更新が出来ずにいました。
儲かっているなら良いのですが、作業遅れを取り戻す為の・・過重労働。(ブラックじゃ無いか・・)
これから記録に残す修理作業や改良作業がその原因です。製造会社は、何の落ち度も認めてくれません。
先ず、最初に表題にもある様に、導入13年目にしてやっと加工精度の変化を最小限にすることが出来ました。
この加工機(MAZAK MSY)は温度変化補正が自動で出来ると言うのが売りでしたが・・・、午後4時頃になると、必ず寸法変化が現れて、13年間 気を抜くことが出来ませんでした。(午前中2時間は、暖機運転が必須でした)
原因は: 加工機土台になる部分は鋳物で頑丈に作られています。が・・、この加工機には、冷却の為の切削油を流していません!。なぜでしょうか?。
もちろん、導入時に水が流れていないのは知っていましたが、土台に切削水を回していないのが不思議でなりませんでしたが。「最新機は、温度補正機能も装備されているし、簡素化されても精度が保てるようになったんだ。」と自分を納得させていました。だって、世界のMAZAKが自信を持って出している、2006〜2007年とグッドデザイン賞を獲得している、2008年製の最新機ですから。
加工作業中は、どうしても熱を籠もらせてしまう部分とそうで無い部分、常にレール上を移動する部分と固定で動かないモーターが有りますので土台温度は均一になりません。過去に導入した加工機は、土台の鋳物部分に切削油を流すことで、できるだけ土台の温度差を無くする様になっています。
ところが、MSYにはそのような切削油を出す水配管は無いのです。
事の発覚は、別な要因で作業エリアで発生する切り粉の捌けが悪くなったり、移動時にきり粉を掃除するワイパーが接地されているのですが、そのワイパーをくぐり抜けたものや、肝心な部分にワイパーが接地されていなくて、隙間をくぐり抜けた切り粉や切削油が、溜まってしまうという事例が発覚。
これがその写真。


ワイパーが無いばっかりに、作業エリアの裏に溜まった切り粉。

新しく増設して、お手製のワイパー。サブスピンドル左側の亜鉛メッキしたプレート部分がそれ。

この時に、ハタと気が付いた!!、「ワイパーをすり抜けた細かい切り粉は、通常で有れば筐体冷却の為に流れる切削油に運ばれて、切削油タンクの網に引っかかるはずだが、なぜに溜まる?」という疑念を無くする為に、外せるネジ止めのカバーを全部外してみた。
よく観察すると、鋳物土台には溝が掘ってある。試しに水を流すと・・・、全体に行き渡り、ちゃんとタンクまで流れるんです!!。 で、図面を調べても、何処にも、ここに切削油を流す配管は見つかりません。
そこで、筐体内部に流す箇所に、増設することにしました。
オレンジ色のコックレバーが付いている部分が、今回増設した配管になります。切削油は、勢いよく流れすぎても、あふれ出る原因になりますので、調整が必要です。

前後に分かれて流れるように場所を選び、出口を定めました。

土台の溝を流れる切削油。


この処置後の1日の加工寸法変化量は、なんと驚きの!!0.01oですよ。今さらながらにあきれてしまいます。
とにかく、導入初日から、この機械には泣かされました。
メーカーは、不具合の訴えを聞いてくれないし、リース会社からは「リース物件だから、無断でさわるな!」と言われるしで、ほとほと困り果てていました。
関連で、タレット芯軸移動や、タレット芯高不正、回転ミル工具のベアリング逆組、等々多数有りましたが、リース終了買い取り後に、やっと全て自社で治しました。 メーカーのためにも、多くの人の目に触れることを望みます。 その他の関連記事も、シェアー拡散して頂いても・・私は問題ありません。